屋根の種類は様々です。塗装も含めリフォームには様々の方法がありますが、カラーベスト(軽量性能)と呼ばれる薄型の屋根の場合は大きく分けて２つのリフォームの方法があります。 1つは「葺きかえ」と呼ばれる方法です。
葺きかえ
葺きかえという方法は、古くなって傷んだ屋根材を全てめくり処分してしまいます。
そして、めくって出てきた古い屋根の下地材の上に新しい屋根下地材をもう一度貼りつけた後、その上に新しい屋根材を止めていくという工法になります。
新しいものに取り替えるため、「粘土系」・「セメント系」・「スレート系」・「金属系」など、どのような屋根材でも対応できるのが特徴です。
しかし古い屋根材をすべて撤去し、屋根下地材の貼り付けなど工程も多いためリフォーム工事に日数を要します。
屋根の広さや形状、葺きかえ屋根材により価格は異なりますが、屋根の葺きかえリフォームの相場は約100万円～150万円が目安となります。
カバー工法
もう１つは「カバー工法」と呼ばれる方法です。
カバー工法は既存の屋根の上に新しい屋根をのせ、二重構造にするという仕組みのため、基本的に現状の屋根材にはあまり触らず、棟の部分の金属部材をはずし、直接ルーフィングと呼ばれる防水シートを貼っていき、その上に金属屋根によく使用されるガルバリウム (Galvalume) 鋼板を止めていきます。
ガルバリウム鋼板は遮熱性にも優れ耐食性に強いため、酸性雨などにとても強く、屋根のひび割れの等の心配もないという特徴もあります。
また屋根を二重構造にするという仕組みのため、断熱、防音性、防水性が向上します。 屋根の広さで価格は異なりますが、カバー工法で屋根をリフォームする場合の相場は、約80万円～120万円が目安となります。
２つの工法の費用は屋根の形状にもよりますが、あまり屋根の形状が複雑でない場合は、葺きかえよりもカバー工法のほうがリフォーム費用を安くおさえることができます。
なぜなら「葺きかえ」の場合は古くなって傷んだ屋根材をめくる費用や撤去する費用や廃材処理費用などが必要だからです。
ですからカバー工法のほうが金額の面では比較的安く仕上げる事ができ、なおかつ工期も「葺きかえ」に比べると短くなります。しかしカバー工法で屋根のリフォームを行う場合は注意するべきポイントがあります。
カバー工法の注意すべきポイント
１つめは現状の屋根の下地材がしっかりとしているということがカバー工法を選ぶ上での大前提となります。
カバー工法は現状の下地材の上に新しく屋根材をかぶせるときに、現状の下地材をもとに止めていきます。
そうすると、年数が経って部分的に経年劣化などで下地材が割れなどを起こし、そこから雨水などが浸水していることがあり、そのような状況で部分的に屋根下地が傷んでいる箇所があった場合、その部分に新しい屋根材を止めてもしっかりと固定することができないため、台風などの強風などが吹いた場合、その部分だけがめくれてしまったり、飛ばされたりなどの危険性があります。
ですからカバー工法でリフォームをお考えであれば、まずは現状の下地材がしっかりとしているかということを調査してください。
その際に下地材の傷みを的確にしっかりとチェックできるリフォーム業者に依頼することがポイントです。
また カバー工法は現状の屋根材の上に新しく屋根材をかぶせるため、どうしても屋根の重量が重くなってしまいうため、耐震上の不安が残ります。 屋根は家の上部に位置するため、屋根の重量が重くなるということは耐震という点だけで考えると、どうしても地震に対して弱くなってしまいます。
屋根リフォームまとめ
「葺きかえ」も「カバー工法」もメリット・デメリットがあります。
屋根をリフォームする場合は予算や費用といったこともとても重要なのですが、それぞれの工法の特徴をしっかりと理解した上で屋根の傷み具合なども考慮し、自分の住まいにマッチしたリフォーム方法を選びリフォームすることが屋根リフォームを成功させるポイントとなります。
