塗装リフォームの知識 下地処理とは?

塗装リフォームの知識下地処理とは?

 

塗装リフォームは古くなった屋根や壁に塗料を塗るだけの簡単な作業ではありません。
下地処理をしっかりと行い、塗料を塗る前に塗装する場所を最適な状態にする作業があります。

下地処理は基本的に外壁の塗装をおこなう前の過程で行われる作業で、この下地処理をしっかりと行う事で仕上がりの美しさや塗料の耐久年数が変わってくるためとても大切な作業となります。
下地処理は一般的にあまり知られていませんが、塗装よりも時間のかかる重要な作業です。
ですから、塗装の良し悪しは下地処理をどれだけ丁寧に行うかということに左右されます。


■ケレン作業

ケレン作業とは外壁塗装の基礎となるとても重要な作業です。
ケレン作業は塗装をおこなう所についている汚れやサビ、古い塗膜を落とす作業のことで、高圧洗浄作業で落としきれなかった古くなり劣化した塗料や付着したカビなどの汚れ、鉄部分に発生した錆びなどをサンドペーパーなどを使い丁寧に削り落としていく作業です。
ケレン作業は新しい塗料の性能を十分に引き出すために必要不可欠な作業となります。

もし仮にケレン作業をしなかった場合、古い塗膜や汚れを残したまま、新しい塗料をその上から塗ることになるので、どんなにグレードの高い塗料を塗ってもすぐに剥がれてしまったり、ひび割れを起こしてしまい意味がありません。

またケレン作業は汚れや錆びなどを磨き落とすだけではなく、磨きをかけた表面にあえて細かなキズをつけ、凸凹に目粗しする事で塗料が接触する部分を増やし塗料の密着性を良くする目的もあります。

ですから、塗装の寿命を延ばし長持ちさせるためには丁寧なケレン作業が必要不可欠ということなのです。
丁寧にケレンをすれば、ケレンしないのと比べ数年は塗装を長持ちさせることが出来ます。
普段あまりクローズアップされることのないケレン作業ですが、塗装リフォームをする上ではとても重要な作業となります。


■鉄部分のケレン作業

鉄部分で最もケレン作業が必要なのが錆びです。錆びを落とさず錆び止め塗料などを塗装しても効果はほとんど期待出来ません。
スクレバーやサンドペーパーなどを使いしっかりと錆びを落とす事で、錆び止め剤の密着性を良くすることが出来るため、鉄部分の状態が悪ければ丁寧な作業でしっかりと時間をかけて、ケレン作業する必要があります。


■木部分のケレン作業

木部は経年劣化と共にくすみが出てくるため、サンドペーパーやナイロンタワシなどでケレン作業する事で塗料の密着性を良くするだけではなく、木が持つ本来の自然な美しさを取り戻す事が出来ます。
傷みやすい木部を長持ちさせることが出来る重要な作業です。


■ケレン作業の相場

ケレン作業は1種ケレンから4種ケレンまであり、部位の劣化の状態により、ケレンに費やす時間や使用する道具や処理方法を使い分けて行います。
下地の状態が悪いほどケレン作業に時間がかかるため、ケレン作業に費用な費用は高くなります。ケレン作業の相場は1平米あたり約500円〜2000円程度です。


■注意すべきポイント

気をつけなければいけないのは、このケレン作業を全く行わなかったり、手抜きをする業者も存在するということです。
では、何故手抜き作業をするのかというと、ケレン作業は手を抜いて上から塗料を塗ってしまえば一見では判断できないということと、時間と人件費が非常にかかる作業という事です。
ですから、あまりにも安さを売りにした塗装業者は、このケレン作業を行わない事で費用を下げている可能性もあるため、注意が必要です。

この手抜き工事がわかるのは、塗装が剥がれてきた数年後となるため、その時に業者選びを間違った事に後悔しても遅いのです。
そうならないためにも塗装業者選びはとても重要なポイントとなります。
また、見積もりの段階で下地処理作業が含まれているのか、また作業開始前には下地処理をしっかりと行っているのかという確認も非常に重要なポイントとなります。


■塗装業者の選び方

塗装業は資格を持たなくても行う事が出来るため、資格や許可証は良い塗装業者選びの一つの目安となります。
国家資格である1級塗装技能士などの資格保有者のいる塗装業者に依頼する事や10年間の塗装業実績があり許可要件を満たした業者のみに許可される「塗装工事業」を持っている業者に塗装リフォームを依頼する事で、安全である可能性が高いため、リスクを軽減することが出来ます。